【第3回】デリケートなZ世代社員の行動を整理する(分類編) ─ Z世代社員のしんどさの“根っこ”とは?

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具体例から理解したい方は
コチラ

今回はデリケートなZ世代社員がとる様々な行動を4つに分類するための「2つの軸」(↓)について解説します。

自発的関係外志向 ↔ 使用サイクル志向
他人を道具扱い ↔ 自分を道具扱い

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目次

はじめに

先にお詫びします。
今回の記事は少し難しいです……

実は私の記事の元ネタは

  • 不登校の中高生 
  • ぱっと見元気だけど何かと悩みが多い大学生 
  • ぱっと見いい子だけど実はデリケートなZ世代社員

を相手に、

  • (彼らの深い悩みの相談や、心の奥底にしまっていた内面の吐露に付き合うために頻繁に徹夜することもあるくらい)密度高くコミュニケーションしてきた経験
  • 上記のコミュニケーションをうけて、彼らがポテンシャルを発揮するための施策をひたすら試行錯誤してきた経験

を元に、現在進行形で蓄積されている、
50万字以上の原稿と約300枚のスライドで構成される膨大な独自理論(“独自理論”って書くとなんか胡散臭いな…… でも、本当にそうです)です。

50万字の原稿・300枚のスライドから無理やり抜粋して、数千字の記事にしているので、
どうしても説明が行き届かないところや、論理が飛躍しているように感じられる箇所もあるかもしれません。(本記事の内容は特にそうかもしれません…。書き手からしても、ちょっと無理を感じるので)
以上をご了承のうえ、読み進めていただけると幸いです。

なお、どうしても読みづらい場合は今回の記事はスキップして、
次回記事からご覧いただく形でも(ギリギリ)問題ありません

次回記事の内容は、デリケートなZ世代社員がとってしまう自己閉塞的な行動についての具体的な説明ですので、今回よりも読みやすいかと思います。

次回記事(↓)

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長澤啓(Nagasawa kei)
東京大学経済学部卒。1997年生まれ。
大企業・大企業の組合幹部向けの研修(ダイジェスト動画)・コンサルティングで、「Z世代社員の定着と活躍」のコツについてお伝えしている。長澤の取り組みについて詳しくはコチラ
不登校支援専門塾である「学習支援塾ビーンズ」の塾長/副代表も務める。

↓前回記事

↓併せて読んでいただきたい記事

4つのタイプの行動

自己閉塞人の行動は以下の2つの軸によって以下の4つのタイプに分類されます。

  • 支配
  • 恥回避
  • 埋没
  • 使用価値向上

個人差はありますが、自己閉塞人であれば以上4つの行動を満遍なくとってしまうと考えています。

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すぐにでも上記の4つのタイプにカテゴライズされる行動を説明していきたいのですが……
今回はそれぞれの類型を分ける2つの軸についてのみ説明します。

4つのタイプの具体的な行動に関しては次回記事で紹介していきますね。

使用サイクル志向 ⇔ 自発的関係外志向

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使用サイクル志向

上図で説明すると、

道具として捨てられないためにor捨てたくないがために、
自分もしくは他人を使用サイクルにのせ続けることにこだわることです。

「使用サイクル」とは、

期待 → 制御の試み → 消費 → 期待 → ・・・

の循環のことでした。

詳しくは前回の記事の該当箇所をご覧ください。

自分が相手から道具として関わられている場合でも、
自分が相手を道具として関わっている場合でも、

この使用サイクルにのっている間は、関係解消に陥らずに済みます。

使用サイクル志向の行動をとる自己閉塞人は、
道具としての使用価値(便益)を上げることに躍起になります。
使用価値が上がることで、使用サイクルから外れずに済むからです。
便利な道具はくり返し使い続けたくなるのと同じです。

ですから、
使用サイクル志向の行動をとる自己閉塞人は、
自分や他人の学歴や資格や、分かりやすくて優劣を比べやすいスキルなどに過度にこだわる傾向があります。

自発的関係外志向

自己閉塞人にとって、「関係外」は最も避けたい状態でした。
関係外とは即ち、道具として捨てられた状態だからです。

にも関わらず、
自己閉塞人はしばしば自分から関係外を選択する行動をとることがあります。

「関係外」という結果としての状態は変わりませんが、その状態にたどり着く過程は2種類あります。

それは、

  • 相手(環境)が自分との関係外を選択する
  • 自分が相手(環境)との関係外を選択する(※)


恋愛で例えると、「相手(彼氏or彼女)が自分を振るか、自分から相手を振るか」という選択肢ですね。
さて、どちらにせよしんどいことは前提として、どちらの方がよりマシでしょうか。

それは後者、自分が相手(環境)との関係外を選択するです。

なぜなら、

自分から自発的に関係外を選択することで、
関係外に至るタイミングや過程を制御できるので、
心のダメージコントロールが効きやすいからです。

相手から関係外を選択されるよりかは自分から関係外を選択した方が、
プライドが守られた気になったり、
深く傷つかずに済む気になったりする……

こういった状況を思い描けば、直感的に理解できると思います。

自分が相手(環境)との関係外を選択しようとすることを「自発的関係外志向」と呼称します。

では、この「自発的関係外志向」があるのはどんな人でしょうか。
まず、相手や自分に道具としての価値がないと感じている(失望している)自己閉塞人です。(※)


自分に道具としての価値がないと感じている:例)自分は~ができないからダメな存在だ
相手に道具としての価値がないと感じている:例)あの人は自分の承認欲求を満たしてくれないから関わりたくない

客観的に相手や自分に使用価値が(双方にとって)本当にあるか・ないか、(どんなスキルやリソースを持っているか・いないか)
といった事実に意味はありません。

あくまで自己閉塞人の主観の中で、
自分が相手にとって使用価値がない、
もしくは相手が自分にとって使用価値がないと認めた場合、
自発的関係外志向が発動する場合が多いということです。

具体例は次回の記事で説明します。

さらに、

  • そもそも関係解消のリスクに怯えながら、自らが使用サイクルにのること
  • (いずれ道具としての価値がなくなるのが怖いから)相手が使用サイクルにのること

のどちらも良しとしない自己閉塞人も自発的関係外志向を選択しやすい傾向にあります。

話は変わりますが……
自発的関係外志向の行動をとる自己閉塞人を目の前にすると、

「(道具としての成功体験がなく)自信がないから、自ら他人や組織との関係を断っているんだ」

とつい思ってしまいます。

だからこそ、「小さな成功体験を積むことで自信がつく!(そして自発的関係外志向から脱却する)」というアドバイスが巷に流布しています。

例)勉強が少しずつできるようになることで不登校の状況が改善する!(なお、そのようなことはごく一部の例を除いてない

間違いではないですが、

「小さな成功体験を積むこと」が、道具としての関わりを解体するためのファーストステップとして運用されなければ意味はないと考えます。

そうでないと、そもそも相手から道具として関係解消されることや使用サイクルを周回しつづけることに恐怖を感じている人に、

「少しずつ道具としての価値を上げれば使用サイクルにのれて、永遠に道具として使用されることができるよ!」

という、的外れなアドバイスをしてしまっていることになります。

他人を道具扱い ⇔ 自分を道具扱い

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次の軸は、自分が相手(環境)を道具として使用するか、相手(環境)が自分を道具として使用しているかという2つの行動です。
ここでは「自分を道具扱い」を詳しく見ていきます。

「自分を道具扱い」の特徴は3つあります。以下で説明してまいります。

好かれるよりも嫌われたくない

1つ目は「好かれるよりも嫌われたくない」というものです。

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道具として扱われている(と本人が感じている)自己閉塞人にとって最も避けたいのは、相手から関係解消されることです。

特に、先述した使用サイクル志向の自己閉塞人にとって、

「他人から好かれる努力をするということ=相手にとって自分の使用価値を上げること」

にほかなりません。

しかし、自分の使用価値を上げる(=好かれる)努力をすることよりも大切なことは、
相手から嫌われて関係外にカテゴライズされるのを避けることです。


関係外の状態こそ、自己閉塞人が最も恐れる状態ですから。

そのため……
ある行動(例:自分の本音を伝える)の結果、

「もしかして相手から好かれるかも」というポジティブな期待と、
「もしかして相手から嫌われてしまうかも……」というリスク予想の双方が存在した場合、
「もしかして嫌われ、結果として関係外にカテゴライズされるかも」というリスク予想に強く影響されます。

結果として行動を起こすことに消極的になってしまいます。

「同世代への苦手意識」

2つ目は「同世代への苦手意識」です。

道具は、使用価値という観点で比較可能です。
そして、使用価値という観点で比較対象になりやすいのは、同世代(同僚)です。

ですから、自己閉塞に陥ってしまっているZ世代社員は、同世代が周りにいる中で自分の弱さや本音を吐露することは避ける傾向があります。(※)

「優しい上位者と自分だけ」という状況で初めて、自分の弱さや本音を吐露できることが多いです。

※もちろん、当たり障りのない会話はできます。表面的には仲が良さそうなのですが、お互いの本音は全く知らないという関係です。

「自発的SOSの忌避」

3つ目は「自発的SOSの忌避」です。

「自立への過度なこだわり」と言ってもいいかもしれません。

自己閉塞人は他人に助けを求めることは、自分の使用価値の低さを露呈させ、関係外を余儀なくされる振る舞いであると考えています。

ですから、自分がどれだけきつい状況にあっても、他人に助けを求めることを避けます。
そして、自分からのSOSを避けて、辛さが限界まで蓄積されると、「他人を道具扱い」の行動をとるようになります。

特に、

  • 自分の本音を吐露した瞬間、相手に対して暴君のように振る舞うケース
  • 辛くなったら、前触れなくチームから離脱するケース

が多いように感じます。

このあたりについても次回以降で具体的に説明していきます。

さいごに(次回予告)

最後までお読みいただきありがとうございました。

次回以降の記事(↓)で、

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今回紹介した2つの軸を元に、
自己閉塞に陥ってしまっているZ世代社員の具体的な行動を紹介していきます。

今回までの記事を次回の記事と併せて読むことで

「あのZ世代社員の行動、理解できなかったけど、実はこういう奥深い背景・思考回路があったのか!」

といった感覚をつかんでいただけると思います。

是非お楽しみに!

また、Z世代社員の離職防止や活躍に向けた各種サービス(研修・コンサルティング)も提供しておりますので、下記資料の下の問い合わせフォームから是非お声がけくださいませ。

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この記事を書いた人

長澤 啓のアバター 長澤 啓 ワカサポ編集長/悩める20代社員育成の専門家
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