世田谷区 若手区議会議員の原田竜馬と大学生が考える「僕らが選挙に行かない理由」

若手議員の原田竜馬と大学生が考える「若者が選挙に行かない理由」
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世田谷区 若手区議会議員の原田竜馬と大学生が考える「僕らが選挙に行かない理由」

世田谷区で若手議員として大活躍中の原田竜馬さんに、ビーンズの大学生メンバーと学習支援塾ビーンズ代表の塚﨑が、「若者の選挙離れ・政治離れ」についてインタビューしました!

原田 竜馬(Harada Ryouma

■まめファミリー(※)メンバー
※社会人で構成される、学習支援塾ビーンズ応援団のこと

■経歴
1996年生まれ。5歳からずっと下北沢育ち。世田谷区立代沢小学校、世田谷区立富士中学校、駒澤大学高等学校(小中高通じて野球に打ち込む)を経て、駒澤大学文学部社会学科卒業。
大学時代は、主権者教育を行う学生団体ivoteのコアメンバーとして、若者の投票率の向上・若者と政治との距離を近づける活動に参加。
その傍ら衆議院議員の学生スタッフとして活動。
さらに大学を休学し、フィジーでの語学研修後、デンマークのフォルケホイスコーレ(北欧独自の成人教育機関)に留学。
大学卒業後、公共政策系のコンサルティング企業に勤務。その後、衆議院議員の秘書として活動。
その後、まめファミリーたちの応援のもと、2023年4月の世田谷区議会議員選挙にて初当選。世田谷区議会最年少議員として活躍中。

学習支援塾ビーンズ|不登校など悩...
原田 竜馬 | 学習支援塾ビーンズ|不登校など悩める10代をサポートする塾【東京・飯田橋】 原田 竜馬HARADA   RYOMA世田谷区議会議員まめファミリーメンバーの世田谷区議会議員。1996年生まれ。5歳から下北沢育ち。駒澤大学文学部社会学科卒業。大学時代は、若者...

大学生は政治に責任を負いたくない

学生1:竜馬さん、今日はインタビューを受けてくださりありがとうございます!

竜馬さん:こちらこそ素敵な会をありがとうございます!早速僕から質問なんですが、みなさんって選挙に行ったりします?

学生一同:「行きません…

竜馬さん:あ……いきなりですね…。行かない理由って教えてもらってよいですか?

学生1:私は政治に対して、なんとなく不信感があります。だから選挙に行かないです。

学生2:そうそう!議員全体に良いイメージがないから、「選挙に行ったところで世の中は本当に変わるの?」と思ってしまいます。
あと、「私の一票でなにが変わるの?」とも思ってしまいます

竜馬さん:だよね!そう思いますよね!けど、そう思わせてしまってる今の政治がダメだと思うんです。

そのうえで、僕は皆さんが自分の一票に重みを感じて欲しいと思ってます。

区議会だと一票くらいの差で議員が受かるっていうケースも実際にあるんですよ!

「つまらなくて難しい」政治に参加するなら相当のメリットを提示してほしい

学生3:うーん。そうだとしても、私は選挙に面白みをまったく感じなくて。選挙に対して親しみを持てないし…なんか選挙とか政治って、嫌々参加している感じがするんですよね……

学生4:まず、選挙ってつまらないと思うんですよ。しかもなんか難しい…。「つまらなくて難しい」ものに参加するなら、相当のメリットが提示されないと参加したくないなと…

竜馬さん:たしかに……今の政治に大学生の皆さんが熱中できる面白みがあるかというと、ちょっと自信がありません。

学生4:なんで、こんなに政治って「つまらなくて難しい」ものになっているんですか?

竜馬さん:政治、そして選挙にも面白みがなくなっているのは公職選挙法も影響しているからだと思います。

難しくて面白みのない選挙で当選してる人は、このままの選挙でいいと思っているだろうし…自分を脅かす人が出てきてほしくないから、面白みのある楽しい選挙にならないっていう。

…なんだかんだ現職に有利なようにルールがつくられて、そのルールが継続されてしまっている側面もあると思うんですね(苦笑)

塚﨑:若者が投票しない理由として、

1:政治は他人にお任せしたい!という気持ち
2:政治に関する情報を知らないから、分からないものは、「つまらなくて難しい」から関与したくないという気持ち
3:自分が投票したって…どうせ何も変わらない…というあきらめの気持ち

があると思います。

あらためて、大学生のみなさんはこの3つの中でどれが一番、投票に行かない理由に近いと思いますか?

学生1:私は2ですね。政治は、中学の公民からあんまり好きになれなくて。
しかも、学校の授業で一度、政治のことを嫌いになったらその情報は遮断しちゃう。だから情報を見ても、頭に入ってこなくて…

学生2:僕は1と3の間かなぁ…
どうしても、自分が行って意味があるかどうかわからない選挙に自分の時間を使うのってしんどい!と思っちゃうので。

っていうのも、選挙って日曜日に本番がありますよね。

日本人って週5日働いていて日曜日って確実に休日でその日曜日はゆっくり休みたいのに「選挙に回すリソースないなーっ」て思うんですよ。

そもそも余裕がなくて、日曜日に重い腰上げて選挙のこと考えていくのがしんどいなーって。休む時間がなくなっちゃいますし…!

そういう生きることで精一杯の人は、自分が行っても意味があるかわからないことに時間を使うことは難しいんじゃないかなって気がしてます。

学生3:めちゃ話は変わっちゃうんですけど、今っていろいろと投票率を上げるための施策ってあるじゃないですか。

例えば、「選挙割」とか!私は「いいなー」と思ってるんですけど…、それって選挙にいくきっかけにはなっても、選挙を真剣に考えることには繋がらないかなと思ってて。

その場合、適当に名前書いて投票するのって意味あるんですかね?

竜馬さん「考えてなくても選挙にいく」ことも意味があると思います

もちろん政治について考えてもらうことは大前提大切で素晴らしいこと。だけど、まずは選挙に行くことが政治を考えるきっかけになればいいなって。

例えば、適当に書いた政治家が任期中に問題を起こしたりしたら「イケメンだから選んだけど、ダメだったんだなー」とか思いますよね?

そういうことがあって考えるきっかけになる可能性もあるから意味はゼロではないなって思うんですよ。
学習支援塾ビーンズ 世田谷区議 原田竜馬

投票はリスク 投票にも完璧を求められる感じ

学生2:確かに「考えなくても選挙に行く」ということは大切かもしれないですが、適当に投票することに抵抗がある日本人は結構多いんじゃないかなって思ってて……。

例えば、自分が不用意に投票した人が炎上しちゃったとします。
そうしたら、世間から自分に対して「こんな政治家に票を入れるなんてダメだ!」って言われてるような気がしちゃって..

そんな感じで「投票するって行為」に「完璧」を求められてる世の中な気がしています。

とある候補者に投票した人がSNSで一部特定されてたりしますし……そんなことをネットで見ると、投票ってリスクこそあれリターンのない行為だなって。

一同「おお、投票はリスク……

学生2:しかも選挙って
「他の人の生活も関わる」
「他人のお金=税金も使われる」
となると失敗するのは怖いです。

で、自分は政治に興味もないし、知識もない

どう考えても、自分が妥当な政治家に投票できる自信を持てない…

なら、「投票行かなくていいかな」って思っちゃいます。

選挙を好きになれないのは誰のせい?

学生1:このテーマ、高校のときに社会の授業でやりました。

うちの班では…

「今の若い世代はSNSで一部の情報しか見ないので、政治に関しても悪いニュースしか上がってこない。
だから、この悪い状態なんて自分達では変えられないし、選挙行っても仕方ないよねー」

って結論になったんです。

竜馬さん:その「仕方ないよね」って感情ってどこで植え付けられたと思います?

僕は、子どものときは皆自由なのに、学校生活を経験することでみんな意見が統一される/意見を持たなくなるような…

そんな皆に意見を持たせないような教育に、現在の学校教育がなってしまってるなって思います。

学校の先生たちは物凄く頑張っている…だけど、結果としてそうなってしまっているなと。

安保闘争から学生運動まで、いわゆる名門校といわれた高校~大学では、ほとんど例外なく学生達が”自治”といって「自分達で学校というコミュニティをよりよくしていこう!」や「運営していこう!」と言ってたんだけど、1970年代以降、一気に大学も含めて締め付けが激しくなった背景があります。

権力者側からすると、みんなに大人しく従順になっててほしい。
なるべく上意下達で意見を言わないほうがいい。
投票では投票率が低いほど団体の意向を反映しやすい。
そういう構造になってるなと思います。

塚﨑:誰がそうさせてしまってるんでしょうねー。
とはいえ今、与党の人だって野党の人だって、若い人にもっと応援されたいし、若い世代からの得票数を上げたいと思っているとおもうんですけど

だって、ご老人はどうしたって、絶対数は増えない。だんだんと減っていくわけだから。

若い人に、しっかりファンになってもらえれば、これから長期間、ずーっと投票してくれる可能性があるわけでしょ。

竜馬さん:やや理屈は飛ぶんですが、実は塚﨑さんの言う「政治家は本当はみんな若い世代からの得票数を上げたいと思っているはず」というところに思うところがあって。

本当にそうなのかな…?と。

と、いうのは、ありとあらゆる教育の計画を読んでいくと分かったこととして、「民主主義」ってコトバが少ないんです。

この国は本当に民主主義に価値を置いているのかな??と、不安になったことがあるんです……

「主権者としての役割」とか「民主主義とはなにか」とか、そういうことをあまり学校教育で皆が腑に落ちるところまで学ぶ機会が足りていないのも、もしかしてこの国がそこまで民主主義に価値を置いていないからなのでは??…と思ったんです。

若者は政治参加どころか意見を言うことすらしんどい!その理由ってなに?

学習支援塾ビーンズ 世田谷区議 原田竜馬

意見が言えない若者たち

学生1:ここ数年、自分の意見が言えない(自分の意見を持てない)という悩みを抱える若者が増えてきているようですが、原田さんは議員として、自分の意見が言えない(もしくは意見を持てない)若者たちにどのようにアプローチしていきますか?

竜馬さん:つまり、サイレントマジョリティー(=意見の言えない人)の意見をどう拾うかと言う事ですよね?

どうしても、選挙活動をしていて意見をくださるのは、意見を言える人だけです。(それもすごくありがたいんですけど!)

なので、もっとサイレントマジョリティー側のご意見を聞けるように、自分ができる努力をしていきたいと思っています。

今までお話ししてきた通り、若者はサイレントマジョリティーですよね。

ですから、若者の意見をネットで募ったり、街頭に立つ時もなるべく若者と雑談くらいからできるようにしています。

が、ある意味、今は拾えている意見が「いつのまにかビーンズの関係者に偏っている」なんてことも。

このように、現状若者へのアプローチすら難しいところは現実問題としてありますね…

学生2:若者へのアプローチとして、SNSのような、若者に身近なツールを活用することから始めるのはどうなんですか?

竜馬さん:SNSも1つの手かもしれません!

ですが、そもそも政治への一定の興味がないとSNSなどでたくさんの若者へのアプローチができないんですよね。

なので僕は、「政治から入らない…!」アプローチを意識しています。

例えば、飲みの場で人に話しかけたとき、「最初世間話をした後に、途中からイケそうなら政治に関係する話題を話す」。

このようになるべく政治ありきで話をしようとするのではなく、自然と政治の話題になったといった感じで話したいなと。

学生3:投票率が高い北欧の国は、意見を積極的に言うような教育をしているみたいですよね。

竜馬さん:僕も日本でその教育ができたらなって思います!
意見を言うと自分を否定されているように感じてしまうところがありますよね。

自分の意見をいう教育、周りの人が話しやすい場づくりの練習を幼稚園などからできたらいいなと思いますね!!

政治家だって意見を言うのが怖い… だけど他人ためなら意見を言える!

学習支援塾ビーンズ 世田谷区議 原田竜馬

竜馬さん:……とここまで偉そうに語ってしまったのですが、かくいう僕自身も、意見をいうのが怖いんですよね

「自分の何かの発言が、誰かにネガティブな印象を与えてしまうんじゃないか…?」
「先輩議員などの方が経験もあるし、前例があるのでは…!」

という風に不安にもなりますし….

学生1:そんな中で、なぜ議員として自分の意見を主張できるんですか?

竜馬さん:まず、僕は自分のためには頑張れない人間なんです。

だから、自分のための意見を言うのは基本、しんどい。多分7割くらいことは言えてなかったりします…(笑)

そんな僕が議員として意見を主張できているのは、「自分の身の回りに仲間がいるから」です。

これは僕個人だけのことでなく、若者の自尊心の回復・向上のカギはずばり「仲間・つながり」の存在だと考えています。

学生1仲間って具体的に誰のことですか?

竜馬さん:シンプルに自分の知り合いって場合もあるし、自分を頼ってくれる方の存在も広く仲間だと思っています。

周りの人から何か頼っていただいたり、時に応援していただける。だから、僕は自分の意見を言える…そう思っています!

そして自分の仲間、僕を頼ってくれる人…つまり自分以外の他人の存在があるから、本当に言わないといけないときがあったら、腹を括って言うしかない!ってなって意見を言えてるんです。

それに意見を言って、何かまずいことがあっても死ぬわけじゃない
死ぬわけじゃないマインド」で発言してるって、自分では思っています(笑)

学生4:うーーん。”死ぬわけじゃない”とか”他人のためなら意見を言える”って、それは竜馬さんの自己肯定感が高いからなのでは??と感じました。

竜馬さん:あ、勘違いされること多いけど僕、自己肯定感はそんなに高くありません

めちゃくちゃ成功体験があるわけでもない。
ついでにいうと勉強もあまり得意じゃない(笑)
自分に確固たる自信がないから、自信を持って意見を言えない…。

そんな中で、自分から意見を主張できるようになるためには、先ほどお伝えした”他人の存在”と、もう一つゆとり」が必要なんじゃないかなと思います。

具体的には、教育のなかにもっと余裕や寛容さ、自分の将来を考える時間が必要なんじゃないかなって思います。

だから僕は、同世代とぼちぼちつながって、ぼちぼち頑張っていく」ことがファーストステップなんだと思っています。

ワカサポラボ - 10代・20代と向き...
まめファミリー/世田谷区議 原田竜馬から令和の若者・新成人へメッセージ - ワカサポラボ まめファミリー/世田谷区議 原田竜馬から令和の若者・新成人へメッセージ 原田竜馬プロフィール ■世田谷区議/ま

学生1:「ゆとり」確かにキーワードですよね…!

私も他者のために何かをしようと思えるエネルギーって、とても大切だと考えています。

でも、他者のために何かしようっていうエネルギーを出すにもは、そもそも自分の中に十分なエネルギーが備蓄されていることが必要なんじゃないかと考えています。

今の竜馬さんの「ゆとり」の話で、他人のために行動しようと思えるエネルギーを出すためには、まず自分のことを「ゆとり」で満たしてエネルギーを蓄える必要があるんじゃないかと……思いました!

竜馬さん:本当ですね!若者が自分たちの意見を言うために…全ての若者がもっとゆとりを持てる社会にしていけたら、めっちゃいいと思います!僕も頑張ります!

竜馬さんと話して 若者が政治参加するために必要なもの

学生1:今回は、若者の選挙離れをはじめとする「若者の悩み」について、竜馬さんと意見交換をしました。

竜馬さんのように「自己肯定感はそんなに高くない、勉強もあまり得意じゃない。自分に自信がないから自信を持って意見が言えない。」という思いを抱える若者は決して少なくないと思います..!!

そんな若者たちが、政治に参加したり、投票したりするためには、まず自信をもって意見を言える(もしくは意見を持てる)ようになることが必要であり、若者が自信をもって意見を言える・意見を持てるようになるためには、「他者のために何かをしようと思えるエネルギー」が重要であり、そのために「仲間」の存在と「ゆとり」が必要なのではないかという意見が出ました。

「仲間」の存在と「ゆとり」があれば、自信がついて意見を言えるようになる。
一方で、どちらも若者にとっては、手に入れるのが大変なものだなぁ…と思います。

それでも、ご自身も現在進行形のリアルな”若者”である竜馬さんと話してみて、もしかしたら私たちにもできるかもしれない…と思えるようになりました。

竜馬さんの活躍に、これからも期待しています!!

学習支援塾ビーンズ 世田谷区議 原田竜馬

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