【離職の原因】Z世代社員が同世代に対して感じる「VALSコンプレックス」

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はじめに

今回は、Z世代社員が抱えがちな「痛み3要素」――孤独感・無力感・やらされ感のうち、孤独感に分類される「劣等感」について取り上げます。

※痛み3要素については前回の👇の記事をご覧ください!

その中でも特に代表的なのが、VALSコンプレックスです。

これを理解すると、Z世代社員の心の痛みにぐっと近づけます。ぜひ最後まで読んでみてください。


VALSコンプレックスとは?

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VALSコンプレックスとは、

  • Visionary(ビジョナリー)コンプレックス
  • Active(アクティブ)コンプレックス
  • Logical(ロジカル)コンプレックス
  • Skillful(スキルフル)コンプレックス

この4つの頭文字をとったものです。

Z世代社員は、同世代の仲間と自分を比較する中で、このVALSコンプレックスを強く感じがちです。そして最悪の場合、自己否定感から離職につながってしまうことすらあります。

なぜZ世代がここまで「同世代との比較」に苦しんでしまうのか、その背景については👇の記事で解説しています。

それでは、それぞれのコンプレックスについて具体的に見ていきましょう。

VALSコンプレックスの共通点

4つすべてに共通して言えるのは、表面的な情報やラベル」だけを見てコンプレックスを抱いてしまうということです。

これは、Z世代の多くが同世代と深く関わった経験が少ないことに由来します。

もし深い関わりがあれば、比較して傷つくよりも、相手を思いやる気持ちの方が勝ったり、
「この人すごいけど、意外とこんな抜けてるところもあって愛おしいな」
と自然に思えるようになります。

Z世代の多くが同世代と深く関わることができない構造的理由については、👇の記事をご覧ください。

でも、浅い関わりのままだと「表面的な違い」ばかりが目についてしまい、必要以上に自分を傷つけてしまうのです。

だから上司世代からすると、
「え、そんなところで比較して落ち込むの?」
と驚いてしまうことが多いのです。

Visionaryコンプレックス

1つ目は、Visionary(ビジョナリー)コンプレックスです。

これは、「夢ややりたいことを持っている同世代」に対して感じるコンプレックスです。

Z世代の多くは、
「早く“何者か”にならなきゃ」
「自己実現しなきゃ」
と強い焦りを抱いています。

そのため、将来の目標に向けて一心に頑張っている(ように見える)同世代や、
「私は将来、こんな社会を実現したい」
と自信を持って語る同世代を見たときに、夢を持てない自分への強烈な劣等感を感じてしまうのです。

Activeコンプレックス

2つ目は、Active(アクティブ)コンプレックスです。
これは、「行動力がある同世代」に対して感じるコンプレックスです。

自分は怖くてなかなか動けない分、

  • 勉強やスキル習得に自発的に取り組んでいる
  • 上司に積極的に質問しに行く
  • 新しいチャンスにすぐ手を挙げる

そんな同世代を見ると、到底かなわないと感じてしまうのです。

その結果、逆に「自分も行動しなきゃ」と焦って、休息の時間まで削って無理に動き続け、結局つぶれてしまうZ世代も少なくありません。
(このテーマは奥が深いので、いずれまた記事で詳しく扱いますね)

Logicalコンプレックス

3つ目は、Logical(ロジカル)コンプレックスです。
これは、「論理的な思考や説明ができる同世代」に対して感じるコンプレックスです。

論理的思考は「表面的な情報」として比較しやすいため、余計に劣等感を刺激します。

実際に、Z世代の会議を見ていると、発言中にビクビクした表情になったり、能面のように固まってしまう人がいます。後で話を聞くと、
「私、皆さんみたいにロジカルシンキングできないんで…」
「私、地頭が悪いんで…」
と口にする人がとても多いのです。

しかし、客観的に見ればその人も十分に論理的思考の素質を持っていますし、難関大学出身者も多い。むしろ、コンプレックスを抱いている相手も実際にはそこまでロジカルな思考をしていないことが多いのです。

ただ「すらすら話しているだけ」で、
「あの人は自分よりも論理的だ…」
と勝手に落ち込んでしまう。

こうして、
「自分は論理的に考えられない」 → 落ち込む → 議論についていけない → さらに劣等感が深まる
という悪循環に陥ってしまうのです。

ちなみに……

以前紹介した令和の大学生を描いた小説(👇)には、このLogicalコンプレックスで深く傷ついている場面が出てきます。ぜひ探してみてください。

Skillfulコンプレックス

最後は、Skillful(スキルフル)コンプレックスです。
これは、「わかりやすいスキルを持った同世代」に対して感じるコンプレックスです。

ここでいう「わかりやすいスキル」とは、たとえば…

  • プログラミングができる
  • 英語をペラペラ話せる
  • Excelを自在に使いこなせる

といった、誰が見ても理解しやすい“表面的なスキル”のことです。

上司世代からすると、むしろ「場を明るくする力」や「粘り強さ」といった見えにくいスキルやマインドの方が大事だと思うかもしれません。それでもZ世代は、つい表層的なスキルばかりに目を奪われ、自分との比較で苦しんでしまうのです。

お互いに抱き合うコンプレックス

面白いのは、このVALSコンプレックスをお互いに抱いている場合があるということです。

たとえば、AさんがBさんに「Activeコンプレックス」を感じていたとします。ところが、実はBさんもAさんに対して同じ「Activeコンプレックス」を感じている――そんなことが現場ではしばしば起きています。

つまり、誰もが何かしらの形で「比較と劣等感」に縛られているのです。

おわりに(次回予告)

いかがだったでしょうか?

今回は、Z世代社員が孤独感の中で抱きやすい「VALSコンプレックス」についてご紹介しました。
次回は、Z世代社員がこうした痛みに陥らないための「予防の方法」をお伝えします。どうぞお楽しみに。

また、Z世代社員の離職防止や活躍に向けた各種サービス(研修・コンサルティング)も提供しておりますので、下記資料の下の問い合わせフォームから是非お声がけくださいませ。

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この記事を書いた人

長澤 啓のアバター 長澤 啓 ワカサポ編集長/悩める20代社員育成の専門家
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