はじめに
Z世代社員育成の専門家、長澤です。
記事を読んでくださっている皆さん、いつもありがとうございます。
そして、読者アンケートにご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました!
(引き続き、回答いただけますと幸いです!)
アンケートの結果を拝見したところ、やはり「解決策」、
つまり自己閉塞に陥っているZ世代社員が定着し、活躍するために、
その自己閉塞(詳しくは👇)を溶かしていく具体的な方法について知りたいという声が多く寄せられました。

そこで、これからは解決策に焦点を当てた記事を多めに書いていこうと思います。
また、アンケートでいただいたご質問にも、順次お答えしていく記事を執筆していきますので、楽しみにしていてくださいね。
今回のテーマ:すべての始まりは「基本信条」から
具体的なテクニックやノウハウをすぐに知りたい!
と思う方もいるかもしれません。
しかし、小手先のテクニックだけでは本質的な解決には至りません。
まずは、適切なマインドやスタンスを身につけるために、最も重要な「基本信条」についてお伝えしていきます。
ここを理解せずにテクニックだけを学んでも、一時的な効果しか得られず、かえって事態を悪化させてしまうこともあります。
Z世代社員(に限らず全ての他者)と向き合う際に受け入れるべき基本信条

Z世代社員と向き合う上で、まず何よりも受け入れてほしい信条があります。
それは、
「人のままならなさは愛すべき課題である」
というものです。
この信条を受け入れることが、すべての始まりです。
そして、ここを深く理解できなければ、今後お伝えしていく具体的なコミュニケーション手法や制度の内容を、表面的な理解で終わらせてしまうでしょう。
逆に、「この信条はどうしても受け入れられない」と感じる方は、残念ながら私がこれから発信するメッセージとは相性が悪いかもしれません。
(ほぼいらっしゃらないと思いますが…)
さて、この「人のままならなさは愛すべき課題である」という信条について、詳しく解説していきましょう。
私は、
「人にとって、他人も自分もままならない存在である」
と考えています。「ままならない」とは、「思い通りにいかない」ということです。
たとえば、
- 「今すぐ行動しなきゃいけないのは分かっているのに、どうしても行動できない」
- 「他人にネガティブな感情を抱かない方が良いと分かっているのに、どうしてもできない」
- 「自分の本音を相手に伝えた方がいいと分かっているし、相手が否定しないことも理解しているのに、どうしてもできない」
これらは、人の「ままならなさ」の代表的な例です。
自己閉塞に陥ったZ世代社員が、自分で自分の首を絞めてしまうような行動をとってしまうのも(詳しくは👇)、
まさにこの「ままならなさ」が原因なのです。




この「ままならなさ」をイメージで表現すると、
「糸が絡まってにっちもさっちもいかなくなっている状態」
です。このイメージは、この後も重要になってきますので、ぜひ覚えておいてください。
「ままならなさ」は解決すべき「課題」

「悩み苦しむことこそ尊い」「無限に悩むこと、それだけで良い」という考え方もありますが、私はそのスタンスをとりません。
「ままならなさ」は、誰がどう見ても苦しみです。
それを無条件に肯定する姿勢は、あまりにも無責任だと感じるからです。
だからこそ、「ままならなさ」はできる限り解決すべき「課題」として捉えるべきです。
「ままならなさ」は「愛すべき」存在

一方で、そもそも人は「ままならない存在」だからこそ、
人たりえているとも考えています。
もし、まったく「ままならなさ」がない人がいるとしたら、それはもしかしたら人間ではないのかもしれません(笑)。
だからこそ、「ままならなさ」を「愛すべき」課題であると捉えています。
絡まった糸をほぐすように

では、まるで糸が絡まっている状態のような「ままならなさ」と、私たちはどのように向き合っていけばいいのでしょうか。

ここで有用なのが、先ほど紹介した「絡まった糸」というメタファーです。
絡まった糸をほぐすときのことを思い出してみてください。
絡まりをよく観察することなく、
無理やり引っ張ったり、
余計なことをしたりすると、
絡まりはどんどんひどくなってしまいます。
逆に、絡まりをよく観察し、無理に引っ張らずにまずは糸をゆるめて、少しずつほぐしていけば、絡まりを解消できます。
「ままならなさ」を解消する際も、この手順に沿うことになります。
まずは、目の前の人間がなぜままならなさ(≒自己閉塞)にとらわれているのかをじっくり観察します。
「みつめる」際の補助線を以下のシリーズ記事で解説していますので、是非ご覧ください!


ままならなさに絡めとられいてることをいきなりは否定しないでおきます。例えば、「自分の本音を伝えたいけど伝えられない」というままならなさに苦しんでいるZ世代社員を相手にする場合……
「怖さを乗り越えて、相手に本音を伝えよう!」という正論をいきなりぶつけるのではなく、
「確かに、自分の本音ってなかなか伝えられないよねえ……」
と共感するところからスタートします。
なお、この「ゆるめる」は不登校などに悩む10代との対話法でも頻繁に活用している、「タテマエ→ホンネのスモールステップ」(詳しくは👇)とほぼ同じです。

ここまできて、やっと「ほどく」です。
相手があなたのことを「この人は私のままならなさも丸ごとうけとめてくれる」と信頼してくれた段階で相手の自己閉塞的な価値観や思考を優しく、しかし力強く溶かしていきます。
(ここでは相当なノウハウ・テクニックが必要なので、別の機会で解説します)
さて……
様々な「ままならなさ」にとらわれているZ世代社員と向き合うと、
「あああああ! めんどくさい! 分かっているならさっさと行動変容してよ!」
と思ってしまうことも多々あります。
しかし、そんな「ままならなさ」も、解消すべきものではありますが、
「愛するもの」として捉えようと努力を重ねていきましょう。(私を含めて)
おわりに
今回は、Z世代社員と向き合う上で最も重要な「基本信条」についてお話ししました。
次回も、大事な基本信条についてさらに深く掘り下げていきますので、ぜひお楽しみに!
次回記事👇

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