【徹底解説】元気も主体性も愛嬌もないZ世代社員に秘められたポテンシャルとは?

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目次

【はじめに】

こんにちは! Z世代社員育成の専門家、長澤です。

長澤啓(Nagasawa kei)

東京大学経済学部卒。1997年生まれ。

大企業・大企業の組合幹部向けの研修(ダイジェスト動画)・コンサルティングで、「Z世代社員の定着と活躍」のコツについてお伝えしている。長澤の取り組みについて詳しくはコチラ

不登校支援専門塾である「学習支援塾ビーンズ」の塾長/副代表も務める。

前回の記事では、
「ぱっと見は活発だけど実はしんどい思いを抱えているZ世代社員」のことを「積極的な自己閉塞人」と呼び、

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その特徴や内面、そして育成のための対応方針について解説しました。

前回の記事👇

今回はその対となるタイプ、

消極的な自己閉塞人

について取り上げます。

彼らは積極的なタイプ以上に
「理解されにくい」存在であり、
特に上司世代からすると接し方に困るケースも多いのではないでしょうか。

しかし、表面的な印象だけで判断してしまうと、
彼らの内にある大切なポテンシャルを見逃してしまうことになります。

この記事では、そんな「消極的な自己閉塞人」の特徴と可能性について丁寧に解説していきます。

【消極的な自己閉塞人とは】

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■ 表面的特徴

「消極的な自己閉塞人」とは、

簡単に言えば
「自己実現欲求が弱く、かつ自己閉塞性が高い」Z世代社員
のことです。

いわゆる“受け身”で“元気がない”タイプですが、表面的な印象だけで「やる気がない」と判断してしまうのは早計です。

このタイプには以下のような特徴があります

  • とにかく目立たないことを大切にする(過去にご紹介した「埋没行動」)
  • 元気がなく、どこか“なよっと”した雰囲気がある
  • 主体性に欠け、人から言われないと動けない
  • 状況によっては、人から言われても動けないことがある
  • 上司と話すときはいつもビクビクしており、フィードバック中は無表情で、改善も見えづらい
  • ただし、気の置けない友人の前では明るく振る舞っていることも多い

つまり、職場での振る舞いとプライベートでの顔に大きなギャップがあるケースも少なくありません。

【彼らが抱える困難】

消極的な自己閉塞人が直面しているのは、単なる「怠慢」ではなく、深いレベルでの苦手意識や自己不信です。特に以下のような点に困難を抱えている傾向があります。

  • 「努力すること」自体への苦手意識
    周囲からは「克己心がない」と見えてしまいがちですが、本人は「努力したい気持ちはあるけど、それが怖い」「できる気がしない」というジレンマを抱えています。(受験や部活などを本気で頑張った経験があまりない人が多いです)
  • 熱量を持って活動することへの苦手意識
    全力で何かに取り組むことやその雰囲気が怖い。失敗したときのダメージが大きすぎるからです。(下記の参考資料からもこのような特徴を持っているZ世代社員が増えつつあることが窺えます)
  • 勝ち負け(結果)がはっきりする場面に対する強い抵抗感
     勝つことよりも、負けて評価を下げられることが怖い。ゆえに、「営業」という職種に恐怖を持つことも多いです。
  • 自己主張が苦手
     自分の意見をはっきり言うことに強い抵抗があり、その場では黙ってやり過ごそうとします。
  • 自信のある人、エネルギッシュな人が怖い
     特に、積極的な自己閉塞人に対して強い苦手意識を持つことが多いです。なぜなら、彼らは夢や目標に向かって努力しているように見えるうえに、心の余裕がない積極的な自己閉塞人が、消極的な自己閉塞人の「動けなさ」に怒りをぶつけてしまうこともあるからです。

こうした複合的な苦手意識が、彼らをさらに「埋没」させ、自分から何かを発信することをますます難しくしています。

《参考資料》

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【一見「可愛げがない」その奥にあるポテンシャル】

消極的な自己閉塞人は、上司世代から見ると、正直「可愛げがない」と感じられてしまうことが少なくありません。

  • 指示を出しても反応が薄い
  • 目を見て話さない
  • フィードバックをしてもリアクションがない
  • 自分から何も言ってこない

こうした態度に対して、
「やる気がない」「無関心だ」「愛想がない」
と感じてしまうのも無理はありません。しかし、実は彼らにも確かなポテンシャルが存在します。

ポテンシャル①:比較的「波がない」

前回紹介した積極的な自己閉塞人は感情の波が激しく、あるとき突然燃え尽きる、いきなり感情を爆発させる、ということも少なくありません。一方、消極的な自己閉塞人は活動量こそ少ないものの、感情の波は比較的穏やかです。これは、安定性も必要な組織運営にとって、大きな利点となります。

ポテンシャル②:「誰かのためなら頑張れる」

自分のために頑張ることは難しくても、「近しい誰かのため」だったら意外と頑張れたりします。
「自分が自分のために何かに熱狂・熱中する」というノリが苦手なだけであって、「誰かのために頑張る」ということには意外と抵抗がないことも多いです。

(とはいえ、良くも悪くも私心がないため、誰かを支えていたとしてもそれを表に出さない傾向があります。ですから上司からするとなおさら彼らの貢献や成果が見えづらいこともあります)
例えば、チームメンバーが困っているときに「自分が動かなければ」という意識が芽生えると、少しずつ動けるようになるのです。

これはまさにポテンシャルであり、組織の中で周囲を静かに支える役割を果たしてくれる存在になり得ます。

結論:組織の維持に不可欠な存在

華やかではありませんが、日々の仕事を淡々と、誠実に、安定して続けてくれる人材は、組織の根幹を支えるうえで非常に重要です。消極的な自己閉塞人は、その候補たりうる存在なのです。

【育成の方針】

では、彼らとどう向き合えばよいのでしょうか。ポイントは、「自分ごと」として責任を突き付けすぎず、まずは「誰かの支援」からスタートすることです。

ステップ①:「他者の支援」から始める

まずは「あなた自身が何をしたいか」ではなく、「チームのこの人が困っているんだけど、ちょっと手伝ってもらえないかな?」といった、“他者のための行動”に巻き込んでいきましょう。

※不登校などに悩む10代を支援する際も「他人事→自分事のスモールステップ」として、重要視しています。

主体性がないように見えても、
信頼関係のある相手のためなら動ける、ということは多々あります。

責任のある仕事をいきなり渡すのではなく、まずは小さな“他者を支える体験”を積ませることが大切です。

ステップ②:「支えるためには努力も必要」と伝える

ある程度信頼関係が築けたら、次のステップです。

「あなたが大切に思っている〇〇さんを支え続けるためには、時には自分の殻を破って努力することも必要かもしれないよ」と、あくまで“誰かのため”という文脈の中で、「努力」の必要性をやんわり伝えていきます。

「あなたのために頑張りなさい」と言うと拒絶されますが、「誰かのためなら頑張れる」この特性を上手に活かしながら、徐々に“主体的努力”に向かわせる、というプロセスが有効です。

【おわりに】

今回は、「消極的な自己閉塞人」について、その特徴、困難、ポテンシャル、そして育成方針を整理しました。

このタイプのZ世代社員は、上司世代から見て最も「わかりにくい」「扱いづらい」と感じられる存在かもしれません。ですが、彼らには確かに、組織を静かに支える力があります。

見捨てずに根気強く育成していきましょう!

また、Z世代社員の離職防止や活躍に向けた各種サービス(研修・コンサルティング)も提供しておりますので、本記事最下部の問い合わせフォームから是非お声がけくださいませ。

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この記事を書いた人

長澤 啓のアバター 長澤 啓 ワカサポ編集長/悩める20代社員育成の専門家
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