【たまには理想の話をしよう】Z世代と歩む未来

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「たのしんどい」から「くるしんどい」へ。Z世代と歩む未来をつくる

こんにちは。Z世代社員育成の専門家、長澤です。

長澤啓(Nagasawa kei)
東京大学経済学部卒。1997年生まれ。
大企業・大企業の組合幹部向けの研修(ダイジェスト動画)・コンサルティングで、「Z世代社員の定着と活躍」のコツについてお伝えしている。長澤の取り組みについて詳しくはコチラ
不登校支援専門塾である「学習支援塾ビーンズ」の塾長/副代表も務める。

これまで私は、Z世代社員の育成に関するさまざまなテーマで情報発信をしてきました。

今回は少し視点を変えて、
「若者を取り巻く社会の変遷」と、
それを踏まえて私が描く「これからの社会や組織のあり方」について、お話ししたいと思います。

もちろん、ここで紹介する「過去」や「未来」は、すべてを厳密にデータで語れるような話ではありません。
むしろ、私自身が多くの若者と向き合う中で感じてきた、肌感覚に近いものです。
それでも、今後の社会の在り方を考える手助けになるかもしれません。

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【過去】「たのしんどい」と選抜型組織

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まずは「過去」を振り返ってみましょう。

といっても、特定の年号に区切った「歴史」の話ではありません。ある程度ざっくりとした「社会の空気感」の話です。多少の解像度の粗さはご容赦ください。

■ 社会:勢い社会

ひとことで言えば、過去の日本社会は「勢いのある社会」でした。
人口は増加傾向にあるか、少なくとも人口減少による不利益を、今ほど強く感じることはありませんでした。
もちろん、社会にはさまざまな課題がありましたが、それでも「なんだかんだで明るい」空気感があったと思います。

経済的にも、
「頑張れば何とかなる」「少しずつでも豊かになっていく」
という期待感が社会に漂っていました。

過去に紹介したような「孤独・孤立」「過剰な比較」といった問題も、今ほど表面化していなかったように思えます。

■ 組織:選抜型組織

企業や組織のあり方も、今とは大きく異なっていたように感じます。

人材不足はそこまで深刻ではなく、「やる気と能力があるやつだけついて来い!」的な組織スタイルで十分通用していました。
これは当時は「正解」がある程度限られていたからなのかもしれません。

いわゆる「勝ち筋」が明確で、それを踏襲することで成果を出すことができた。
もちろん、企業ごとに試行錯誤はあったはずですが、一定の選抜によって作られたチームが一直線に走ることが有効だった時代だったのです。これが、いわゆる「選抜型組織」が機能していた背景です。

■ 若者:たのしんどい

そんな社会の中で、当時の若者はどうだったのでしょうか。

競争は厳しかったし、辛いことも多かったと思います。
それでも「楽しいこともいっぱいあった」のではないでしょうか。

辛いこともあるけど楽しいこともある。
その両方を引き受けながら、前に進んでいくような、「たのしんどい」という言葉がしっくりくる時代だったように思います。

もちろん、全員がそうだったわけではないことも理解しているつもりです。

就職氷河期を生き抜いた世代などは、
むしろ「たのしんどい」どころではなかったと思います。

でも、全体の空気感としては、どこか明るさや希望があったように感じます。

【今】「くるしんどい」時代の閉塞感

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では、今はどうでしょうか。社会、組織、若者──すべての層で「しんどさ」が質的に変わってきていると感じています。

■ 社会:バラバラビクビク社会

今の日本社会は、少子高齢化と経済成長の鈍化が進み、明るい未来を描きづらくなっています。

それに加え、過去に蓄積された社会的課題が噴出し、「孤独・孤立」の問題が深刻化。

(20代の3割以上が「抱える孤独が深刻」と回答👇)

人とつながっていない感覚(バラバラ)や、将来や他人との比較に対する不安(ビクビク)が多くの人の中に根付いているように感じます。

つまり今の社会は、「バラバラビクビク社会」とでも呼びたくなるような状況にあるのです。
なお、今の社会が直面する問題(変化)のうち、特に若者に影響を及ぼしていると考えいてるものは👇にまとめてあります。是非ご覧ください!

■ 組織:潜在的閉塞組織

研修などで多くの企業の皆さんと接していると……
企業や組織も、この変化の波に完全には乗り切れていないように見えます。

「これまでのやり方が通用しなくなる」とうすうす感じながらも、緊急性の高い大きな問題が起きているわけではない。
過去に築いてきた「成功体験」がまだあるし、Z世代社員の“自己閉塞”の問題もそこまで表面化していない会社も多いです。

結果として、多くの組織は「変わらなきゃいけない」と思いつつも、どこか本気になりきれず、変革に向けた強いモチベーションが生まれにくくなってているように見えます。

■ 若者:くるしんどい

そして、今の若者たちが抱えているのは、「たのしんどい」ではなく「くるしんどい」ではないでしょうか。

楽しいこともないわけではない。
でも、未来に希望を持ちにくく、比較されるプレッシャーだけが強まっている。

自分の将来にワクワクする余裕がなく、「これ以上悪くしないようにしなきゃ」という、暗い責任感だけがのしかかっている──。
こうした背景から、今の若者の世界観は、「ただただしんどい」という状態に近づいていると感じています。

【目指す未来】「なんだかんだで幸せ」と思える社会へ

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ここからは、私が目指したい“理想”について語ります。もちろん理想論です。
「そんな簡単にできたら苦労しないよ」と思う人も多いでしょう。

それでも私は、この理想を一度は表明することが今後も発信活動を続けるうえで重要だと考えています。

■ 社会:なんとかなるさ社会

目指したいのは、
なんとかなるさ社会
です。

今後も問題がなくなることはありません。明るいことばかりではないでしょう。
でも、人と比較してビクビクするような精神状態にまで追い詰められない社会。

不安を抱えながらも、
「まぁ、なんとかなるさ」
と前を向ける社会。

私は、まずは子どもや若者の“生きづらさ”の解消に取り組むことで、そうした社会づくりに貢献していきたいと考えています。

■ 組織:全員活躍型組織

これからの組織は、「ついて来れるやつだけついて来い」という選抜型から、「全員活躍型」へと変わるべきです。

もちろん、出世や昇進の枠は限られているかもしれません。
でも、出世レースに“負けた”人でも、自分なりにやりがいを持って活躍できる。
そんな組織を作っていきたいのです。

そして、この新しい組織に不可欠なのが、
「デリケートなZ世代社員」が持つポテンシャルです。
彼らにしかない他者を深く観察する力や共感力は、今後の組織のあり方に新しい光をもたらしてくれるはずです(詳しくは👇の記事で解説しています)。

■ 若者:なんだかんだで幸せ

最終的に、若者一人ひとりが「なんだかんだで幸せ」と思える世界をつくりたいです。
大きな成功や派手な活躍じゃなくてもいい。
自分のペースで人とつながり、自分なりの幸せを見つけられる。

そんな「比較しすぎない」「追い詰められすぎない」状態が、若者のスタンダードになってほしいのです。
(そっちの方が、却って大きなチャレンジをしようとする若者が増えると考えています。詳しくは👇の動画をご覧ください)

【おわりに】

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。

今回は、Z世代社員育成の現場から見えた「社会の変遷」と、私が描く「未来のビジョン」についてお話ししました。
次回は、「自己閉塞に陥っているZ世代社員」に限らず、
どんな人と向き合うときにも大切にしたい「スタンス」について書いていこうと思います。

どうぞお楽しみに。

また、Z世代社員の離職防止や活躍に向けた各種サービス(研修・コンサルティング)も提供しておりますので、下記資料の下の問い合わせフォームから是非お声がけくださいませ。

また、読者アンケートにも協力いただけますと幸いです!
(回答時間目安3分)

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この記事を書いた人

長澤 啓のアバター 長澤 啓 ワカサポ編集長/悩める20代社員育成の専門家
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